平野啓一郎+山中俊治×坂井直樹 「NS_CONCEPT」TALK SESSION (2011/7/21)

7月21日、クリエーター坂井直樹さんの企画展で、坂井直樹さん、山中俊二さん、平野啓一郎さんのTALK SESSIONを聞いてきました。

会場は40人ほどの席数に立ち見合わせて200人以上いたんじゃないかというくらいの混み具合。
で、TALK SESSIONの気になった点とかWEBで集めたのとかをもろもろ。

時計(モノ)に対する価値感の変化

坂井「機械の 時代があって、 それがどんどんエレクトロニクスに置き換わってきた。質量がどんどん減ってくる方向に進化してきた。」

平野「時計はステータスシンボルで持つものであったが、今はファッション性が重要に(ゴテゴテなものが増えている」

平野「"何度も触れなければよさがわからないもの" が評価されずらい時代。」

平野「小説もうれしいやかなしいという表現を昔の小説みたいに遠まわしに伝えても伝わらない。今はまずうれしいと伝えてから、なぜうれしかったのかというように書くように。微妙な表現がわかる人がいなくなった。小説もわかりやすさをもとめられる時代になってきた。」

時間の使い方や感じ方の変化

小説の場合

平野「小説は読むのに時間がかかる。可処分時間が少なくなってるので、その点で小説は時間の観点で不利なのかも」

山中「小説は細切れの時間で読むようになってきた。」

平野「小説には、小説の中に流れている時間がある。その時間と読む人の時間を合わせる、時間が合うという感覚がある。」

平野「もし、19世紀であれば、一冊買った本を一生のうちに3回くらい読んだかも知れないけど、今は山ほど買って速く読む。読み直しということもあまりしない。」

平野「単純にひとつの本を読む時間(回数)が、ぜんぜん違う。」

音楽の場合

平野「昔はアルバムを買って、四ヶ月くらい聴いて、あっ、いいなって思う時がくる。その感覚がなくなってきてる。」

平野「音楽も、買うとレコードがすり減るまで何度も同じ曲を聴いたりした。レッドツェッペリンの3rd、4か月くらい毎日聴いていたら「よいな」と思うみたいな消費のし方。」

電車の場合

平野「IT系の伝達もそうだし、あとはたとえば、田舎では電車の本数が少ないのでみな同じ電車に乗るけど、ある程度都会になるとばらばらで済むとか、地理的な差異が時間的な差異に重なる。」

さいごに

坂井「コピーされるもの=価値が在る。コピーされるものをつくらなきゃいけない」

平野「いま、アイデアは無数に落ちているので、ある程度時間をとって、"洗練させていく" というところにしかプロの価値はないのかも知れない」

山中「この展示会は、坂井さんらしさを感じる。なんか、ダラダラした感じが(笑)」

TALK SESSION Ust

http://www.ustream.tv/recorded/16145065

[参考] まだ観てないけど、坂井さんとホリエモンが対談したときのニコ生

http://www.nicovideo.jp/watch/1304670569



TALK SESSION 1

・日時:2011年 7月21日 ( 木 )

・セッション:19:00 - 20:00(CLOSE 20:00)

・HOST:坂井直樹 

・GUEST:山中俊治平野啓一郎

<企画展詳細>

坂井直樹が立ち上げた、新たなプロダクトブランド

「NS_CONCEPT」。その製品の第一弾。

デザイン・コンセプトは「透過された時」。

このコンセプトが各界の一流クリエーターを触発・刺激し続ける、坂井直樹の自主企画展です。

会期:2011年7月21日(木)〜2011年7月25日(月)

時間:11:00〜20:00

会場: EYE OF GYRE / GYRE 3F

  東京都渋谷区神宮前 5-10-1  TEL: 03-3498-6990

□発起人:山中俊治/リーディング・エッジ・デザイン

□空間構成:谷川じゅんじ/JTQ Inc.

□映像インスタレーション猪子寿之/チームラボ

□言葉:平野啓一郎